役員、社員への打診 環境整備は経営者の責任 その2 (2013年10月21日)

ビジネスコラム

~役員、社員への打診~

後継者である息子を次の社長にすると決めた時、あらかじめいつ頃に経営交

代をするのか役員、及び主だった社員には伝えておいて欲しいものです。

役員会や営業会議を通じて明確に伝えておいて貰いたいです。

中には、いきなりは少しまずいだろうと思われる経営者がいるかもしれませ

ん。

そういう時にはどうぞそれとなく話の中で「近いうちに息子に経営を譲ろうと思って

るんだが」などと言っておいてください。

そうすることで役員、社員に心づもりをしてもらうことができます。

みんながみんな経営交代を喜んでくれるとは限りません。

なかには息子が社長になることを歓迎しない面々もいるはずです。

俺はあの息子とは上手くやって行く自信がない、俺は親父さんに雇われたから

息子の言うことは聞きたくない、そろそろこの会社にも少し飽きてきた頃だし他社

へ行くこともありかなどそれこそいろんな役員や社員がいるものです。

それだからこそ余計に早く事前に知らせておいてやって貰いたいのです。

息子が社長になると聞いた役員、社員がそれぞれに自分の行く末を真剣に考えて

欲しいです。

なかには、そうか息子が社長になるなら今以上に頑張らないといけないな、親父

さんにお世話になってきたから息子さんに恩返しのつもりで頑張るか、そうか息子

さんが社長になるのか、何か新しいことがありそうで楽しみだな、などと思ってくれ

る役員、社員がいるかもしれません。

いずれにしても歓迎派、否定派にしても事前に知らせることで今後の自分の道を

決めることができます。

一方、事前に何も知らされていなくて突然社長が役員会議や営業会議で社長

交代を告げたとしたらどうでしょう。

薄々はみんなそのうち息子が社長になると分かっていたものの何か釈然としない

のではないでしょうか。

そういう消化不良のような状態で次の経営体制になることが果たしていいのか

どうか考えものです。

初めに告知ではなく打診と書いてるのは実はこういう状況を想定しているからです。

せっかくの経営交代を互いにいいチャンスだと前向きに捉えられるようにする

ために、事前に知らされているということが大切です。

事前に知らされているからこそ、覚悟をして次に臨めます。

去る者は去る、残る者は覚悟をして残る、そういう状況が望ましいです。