息子への過度な期待 親父に息子が育てられない7つの理由 その4 (2013年11月18日)

ビジネスコラム

~息子への過度な期待~

親父は息子を過大評価したり過小評価します。
そもそも息子の評価は世間が判断するものです。
それを親父が判断しても始まりません。

中小企業では息子が経営者としてふさわしい器量を持っているのかどうかという前にすでに後継者として決まっています。

息子がどう考えるかという前に親父自身が自分の会社を息子に継がせたいと考えて
います。
自分の会社の後継者にはどんな人物が適性、適正なのかという当たり前の考察が
為されれません。
息子が後継者というのがまずありきです。

そんな息子達がみんな優秀で経営者としてふさわしいなどということはありません。
なかには立派な息子もいるでしょうが、多くはごく普通の器量を持った息子
でしょう。

それにもかかわらず継がせようとする親父は自分の息子のことがよく分かっている
と思い込んでいるところがあります。

なおかつ親父は息子が自分と同じことができて当たり前、あわよくば俺を越えてくれと
期待しています。
世の中には親父の過度な期待に応えようと無理をした息子たちの残念な例がたくさん
あります。

2年ほど前でしたか大手製紙会社の息子さんがカジノで大きな借金をこしらえその
穴埋めに多額の金を会社から流用したと問題になったことがあります。
結果、息子は起訴され有罪判決を受けたようです。

これにはいろんな原因や理由があろうかと思われます。
その一つに親父であるグループ会社会長の存在があったのではと推察されます。
その会長は聞くところでは知らぬ人がないほどの超ワンマンな経営者であったそう
です。

息子さんは小さい時から英才教育を施され、東大出身で一族の期待を一身に背負
っていました。
会社に入ってから責任あるポジションを任され若くして社長になりましたが、わずか
数年で会長職に祭り上げられました。

おそらく社長に相応しからぬ言動があったものと思われます。
東大出のエリートが経営者として優れているとはかぎりません、大きな組織のトップ
に立つだけの器量が備わっていなかったののでしょう。

親父のそれこそ大きな期待に潰されたかの印象が強い出来事でした。