自らの尊厳を守る 経営者の35の秘訣 その28 (2014年1月8日)

ビジネスコラム

~自らの尊厳を守る~

中小企業では経営者と社員がともに勘違いをすることがあります。
特に身内社員と古参社員に多いのですが、自分がいないとこの会社はもたないと本気で
思っている社員が意外とたくさんいます。

経営者がそう思っている場合も多くあります。
中小企業は社員の数がもともと少ないわけですから、当然社員ひとりひとりが仕事を持ち日常業務をこなしています。

また中小企業では社員を次々と採用していくことができませんから、長期に渡って同じ
業務をしていることが多くなります。
そうすると必然としてそれぞれの業務でベテランとなり熟練者になります。

たとえば、営業マンについて考えてみると、長年異動もなく同じエリアで同じ顧客を相手に
してくると当然、客との人間関係が深まり堅い信頼関係ができていることがあります。
そうなると経営者はあれがいないとあの客の面倒が見れないと思い込んだりします。

営業マンもある一定の実績を上げ続けているわけですから、だんだんと勘違いをしてきます。
特にトップセールスマンであればなおさら勘違いをして、自分がこの会社を支えている、自分が
いなければこの会社は大変なことになると思ってしまい、態度にまで現れてきます。

なかにはそれをいいことに、経営者に理不尽な要求をすることまで起こります。
明らかに、身内社員や古参社員が抵抗勢力となっている状況です。
経営者はここで安易な妥協をしてはいけません。

中小企業ではあれがいないと困ると本気で思っている経営者が実に多くいます。
その経営者の弱みに付け込むかのような不当な要求をする身内社員や古参社員に対し、経営者が
毅然とした態度で対処することが大切です。

そういう状況にならないために、普段から社員の異動を定期的に意図的に行っていくことが重要
になります。
実際にやってみると、思っていた以上にそれぞれの社員が対応するものだと思えるものです。

経営者のあいつでなければという想いが、社員の俺でなければという増長を作っているのかも
しれません。
思い上がった社員の理不尽な要求に決して屈することなく、経営者が経営者としての尊厳を
守るべき正念場です。