親子経営 繁盛と繁栄の秘策 父親がすべき7つのこと 5  身内親族社員との関係性に留意する (2015年7月29日)

ビジネスコラム

身内親族社員との関係性に留意する

父親である現経営者にとって、身内や親族の役員、社員の存在は大いに役立つ存在であり、とても心強く頼りになる存在であったことでしょう。しかし、後継者にとって彼らの存在が同じようであるのかということが難しい問題になります。

現経営者の片腕、番頭として勤めてきた身内、親族が次の世代の後継者にとって良き理解者であり協力者であり続けることができるのかどうか。父親である現経営者はそれを見極めてやらねばなりません。

創業経営者が会社を立ち上げるとき、自分の兄弟、叔父、従姉妹、甥、姪などの身内、親族に手伝ってもらうということがよくあります。そして彼らと苦労を共に重ね事業を大きく発展させてきたという企業が多くあります。

時が経ち、経営者の長男が大きくなり、やがて父親の会社に入ってきます。それまで父親である経営者と身内、親族の役員、社員との関係はいい悪いは別にして、ある意味バランスが取れた関係です。

経営者とその兄弟、経営者とその叔父、経営者とその従兄弟、経営者とその甥、姪というそれぞれシンプルな関係に、新たに後継者と父親の兄弟、後継者と父親の叔父、後継者と父親の従兄弟、後継者と父親の甥、姪という関係が加わることになります。

当然のことですが、父親である経営者と彼の身内、親族の役員、社員の関係性と後継者と彼ら身内、親族の役員、社員との関係性は全く違うものです。父親である経営者はついこのことを忘れてしまいます。

自分が彼らと上手くいっているから、子供である後継者も同じように彼らと上手くやっていくだろうと考えてしまいます。自分と彼らの関係性がそのまま後継者と彼らに引き継がれるとものと安易に思ってしまうようです。

関係性が変わるということは他のすべての役員、社員にも言えることです。ただ一般社員、役員と違うのは身内、親族という特殊な関係が影響させているということです。昔から、「身内、親族はいいときはすごくいいけれど、一旦上手くいかなくなるとこれほど厄介なものはない」とよく言われています。

身内、親族というのは親密で頼りになる存在であると同時に親しいが故に「甘え」を互いに生じる関係でもあります。会社経営において最も厄介なのがこの「甘え」なのです。

知らず知らずの間に経営者も彼ら身内、親族に「甘え」が生じます。またそれ以上に彼ら身内、親族の役員、社員に「甘え」が生まれます。これが社内の規律や雰囲気を乱すことになります。

身内、親族の役員、社員の処遇をどうするかということはとてもデリケートで難しい話ですが、どうしても避けて通ることが出来ない大切な問題です。父親である経営者は後継者の時代に役立つ人材であるかどうか見極め、その処遇を決定してやらねばなりません。