中小企業経営者のコーヒーブレーク (2011年6月7日)

敬天愛人箚記

リーダーは孤独なものと相場が決まっています。多分にもれず中小企業経営者の多くが、自分は孤独だと思っています。多くの社員や取引先、経営者仲間に囲まれているにもかかわらず、自分は独りだと感じています。優しくて、心から心配してくれる家族が居るにもかかわらずです。

経営者の心配事、悩み事は3つです。1つは、お金の問題です。事業が好調な時は考えることもないのですが、ひとたび売上が落ちたり、不良債権が発生すると、たちまち資金が不足し、お金が問題になります。2つめは、人間関係です。取引先だけでなく、社内での人間関係が大きな問題であることが多いのです。社員とのコミュニケーションがうまく取れない、社員との信頼関係が築けないなどです。特に社員との相互不信があります。経営者は社員のためにと考え、いろいろな手立てを講じているつもりであるのに、社員のやる気が感じられず、不満に思うことが多いのです。3つめは、業績の問題です。売上と利益が右上がりを続けている間はいいのです。いつか止まる時がきます。その時にどうするのか、経営者の力量が試されます。どのような経営戦略をとるのか、経営判断が求められる場面です。

こういった経営者の悩み事や心配事を、経営者はどうやって解決し対処するのでしょうか。お金の問題はデリケートな話です。社員や取引先に知れると、信用不安を引き起こすかもしれません。うかつに誰にでも話せることではありません。社内の人間関係がうまくいっていないことも、外部に知られたくありません。そして、業績が思わしくなく不安定なことも、知られたくありません。いずれの場合も、会社の信用問題です。それらのトラブルを経営者は一人で背負い込んでいます。経営判断を下す前に、信頼のできる誰かに、相談をしたり、話を聞いてもらうことが、とても大切です。そうすることで、時間の経過があり、間を取ることができます。経営者は自社の問題の本質がどこにあるのか、問題の解決の仕方が何なのか、本当は自分が一番よく知っているのです。そのことを気付かせてくれる、信頼のできる第三者を持っているかどうかです。

人間は話をすることで、何かをアウトプットしています。そのアウトプットによって、自分のなかに出来た空白部分に何かがインプットされます。それが、気づき、ひらめき、第六感といわれるものかもしれません。経営者が心から信頼し話せる相手を持つことは、なによりも大切です。最後に一人で、経営判断を下すのが経営者の役割です。それを孤独だと思うか、醍醐味だと思うか経営者次第です。

中小企業経営者にコーヒーブレークを!