敬天愛人その2(2011年5月9日)

敬天愛人箚記

西郷さんがとても大切にした言葉で、よく揮豪されています。私は西郷さんに憧れていましたから、「敬天愛人」という言葉を深く意味を解からぬまま、いろんなところで使っていました。いま改めて、その意味を私なりに解釈してみます。「大宇宙の理(ことわり)、大自然の理を畏れ敬い、生かされている人間を慈しみいとおしみ、愛していこう。」ややもすると人は、自然や他人に対しひどく傲慢になったり、不遜になります。少しの成功に気を良くし、世の中すべて自分を中心に回っていると思ったり、他人を気遣うこと無く独りで生きている気になったりします。若くして社長になった私は、時代の流れと恵まれた業界環境のお陰で業績が上がっていたにもかかわらず、自分に経営手腕があるものと勘違いをしていました。いつしか、傲慢で尊大な男になっていました。そんな私が今また「敬天愛人」という言葉を標榜し、題字に使わせて頂いていることに、なにかしら私の人生の流れを感じています。残された人生、この言葉をしっかり胸に抱いて生きていきます。この世の中に生かされていることに感謝し、多くの人との出会いを求め、人との情感の交わりを大切にしていきます。