要望を徹底的に聞く 経営者の35の秘訣 その16 (2013年12月13日)

ビジネスコラム

~要望を徹底的に聞く~

どんな会社でも社員は何らかの不満を抱いているものです。
経営者が社員の不満を一つ一つ聞いていくのはとても労力と精神的苦痛を伴う作業です。
その結果として何ら建設的な成果が得られないことも事実です。

ではどうすれば社員の不満を少しでも減らすことができるのでしょう。
そしてどうすれば社員が積極的に前向きな行動をとることができるのでしょう。
それは、社員の不満を一つ一つ聞くのではなく、社員の要望を徹底的に聞くことです。

要望の裏にはたくさんの不満が隠れています。
その不満を一つ一つ聞いていてはきりがありません。
それよりも社員の要望を徹底的に聞くことでたくさんああったはずの不満が解消されます。

社員は経営者が要望を聞いてくれていることに信頼と安心を感じます。
この経営者は自分たちの話しを聞くだけでなく要望までも聞いてくれているということが
彼らの信頼感を大きくします。

そしてそのことが社員の積極的な仕事への関与を促すことになります。
またそれまでにない社員の建設的で前向きな取り組みが随所に現れ、会議やミーティングへの
積極的参加は言うまでもなく活発な意見が多く出されることになります。

人は自分の話を積極的に聞いてくれる人に対し好意を抱き信頼感を持つものです。
その上、要望までもじっくりと聞いてくれる人に対しては自分から進んで協力したいと思います。
不満だと思っていたことまで知らぬ間になくなっています。

新しくリーダーのポジションについた人は、できる限りメンバーの不満を聞いてやろうとします。
その姿勢を否定するものではありませんが、不満ばかりを聞くことで、自分のモチベーション
を知らぬ間に下げてしまっては意味がありません。

社員の不満を要望という形に変えて吸い上げることで、社員の不満が社員のモチベーションを
上げる切っ掛けになるという不思議なことが起こります。