後継者へ権限一部委譲 環境整備は経営者の責任 その7 (2013年10月28日)

ビジネスコラム

~後継者へ権限一部委譲~

親父が息子に経営を譲ると決心したときから経営継承が始まります。
そのとき親父にしてもらいたいことが権限の一部委譲です。

息子がまだ役員でない場合は早速役員にしてください。
また役員であってもただの取締役であったなら、常務、専務の役職に就けてください。
そして少しずつその役職にあった権限を委譲していってください。

すべてを独りで決めていたワンマンな親父であったならなおのこと無理をしてでも
一部権限を渡してください。
例えば、営業会議を取り仕切らせるとか、現場のトップにするとかなど責任のある
ポジションにつけてください。
そして責任と権限を与えてとにかくやらせることが大切です。

そういう一連の動きを見て役員、社員が経営継承が始まったことに気付きます。
息子に協力していこうと思う者はその流れに従うでしょうし、不満を抱く者は去る
準備を始めるかもしれません。

いずれにしても次期の方向性が決まったことでみんなの腹が据わります。
父の権限を少しずつ委譲していくことで親父の本気が社員に伝わります。
あの頑固な親父がいよいよ腹を決めたとみんなが感じます。

このことが息子にとってどれほど嬉しいことか分かりません。
早い段階で社内が次の時代に向けてひとつになれるかもしれません。
これも親父が出来る環境整備のひとつです。